都心から離れた落ち着いた空間や、よりリラックスできる空間を手に入れることができるため、魅力的な買い物である別荘。リモートワークやライフスタイルの多様化から、需要が増加しています。
一方で、別荘は購入後には手間や維持費がかかります。そのため、購入後に後悔する買い物になってしまう可能性もあります。
この記事では、別荘を購入して後悔してしまう理由や後悔しないための対策、購入前の注意点について解説していきます。別荘購入で後悔しないためにポイントを押さえましょう。
別荘を購入して後悔してしまう理由とは?
別荘を購入して後悔してしまう理由には、主に次の7つが挙げられます。
- 知っている別荘地から選んでしまう
- 必要な維持費の試算をしていない
- 移動時間や移動自体が負担になる
- シーズン以外の情報収集をしていない
- 一目惚れで物件を買ってしまう
- 生活がしにくい
- 活用や売却を考えていない
ここからは、それぞれの理由と対策について確認しましょう。
聞いたことのある別荘地から選んでしまう
別荘選びの際によくある失敗が、聞いたことのある別荘地から選んでしまうことです。
日本には、著名な別荘地が数多く存在します。例えば、海辺の別荘地であれば、館山や伊豆、熱海などが挙げられます。しかし、聞いたことのある別荘地が、必ずしもご自身の条件や要望を満たすとは限りません。
例えば、月に一度サーフィンがしたいという目的で別荘を購入する場合を考えてみます。この場合、著名な館山や勝浦、湘南といったエリア以外にも、茨城や宮崎、沖縄なども候補に入ります。都内から近いからといっても、定期的にサーフィンを行いたい場合には、距離は遠くとも海に入れるエリアで別荘探しを検討しなければ、目的を達成することができません。
別荘は流通している物件数が少なく、ご自身が知っている別荘地にこだわってしまうと、良い物件に出会える確率が下がってしまいます。メジャーな別荘地が別荘を購入する目的を必ずしも達成してくれるわけではないため、別荘地選びはさまざまなエリアを洗い出してから始めましょう。
必要な維持費の試算をしていない
別荘は、購入後にも維持費がかかる買い物です。使わない期間が長く、住宅よりも自然に近い環境にあることが多いため、住宅以上に維持費がかかる場合があります。
例えば、軽井沢に別荘を購入する場合には、固定資産税や清掃費以外にもさまざまな費用が必要です。軽井沢の別荘は山の中にあることが多く、カメムシや蛾などの虫対策や、水道管の凍結対策費用などがシーズンごとに必要になります。管理会社によって異なりますが、害虫対策は10,000円前後、凍結防止の水抜きは30,000円~50,000円前後の料金が定期的に必要になります。
さらに、軽井沢の冬は早く、9~10月頃から雪が降ることもあります。そのため、別荘を使う際には、空調や床暖房など多くの水道光熱費が必要になります。
別荘を購入する際には、簡単なリフォーム費用や物件費用、税金などしか試算せず、細かなランニングコストまで計算しないことも少なくありません。しかし、別荘は買った後もお金がかかります。どの程度ランニングコストが必要なのかは、事前に住んでいる人や経験者に聞くなどして対策しておきましょう。
移動時間や移動自体が負担になる
別荘を購入して後悔してしまうのは、別荘に行かなくなったときが多いです。別荘に行かなくなる理由として多いのが、移動の面倒臭さが挙げられます。特に、週末移住や2拠点生活の拠点として別荘を考えている場合には、移動が定期的に発生するため、移動のしやすさを十分に考える必要があります。
移動のしやすさは、「移動時間」と「移動方法」の2つの視点で考えます。乗り換えが多い場合や電車でなかなか座れない場合には、同じ移動時間でも座って移動できる場合に比べて移動の負担は変わります。
移動時間だけではなく、移動の方法まで考えて別荘地を選ばないと、移動そのものが億劫になってしまう可能性が高くなってしまいます。一方で、決まったシーズンだけ訪れる場合や一回の滞在期間が長い場合、移動回数が多くないため、そこまで重要視する必要はないでしょう。
シーズン以外の情報収集していない
別荘をオールシーズン使いたい場合、シーズン以外の情報も収集しておく必要があります。
別荘を内見し購入するのは、オンシーズンであることがほとんどです。そのため、内見時には、別荘地の魅力を最も感じることができます。しかし、定期的に利用する場合は、オフシーズンも利用することも忘れてはなりません。
例えば、軽井沢のシーズンである夏に別荘を購入する際には、避暑地としての魅力を感じて購入することが多いでしょう。しかし、冬の軽井沢について情報収集をしていないと、二重窓や凍結防止ヒーターなどの対策を怠ってしまうことが考えられます。
オンシーズンは過ごしやすいサマーハウスを、通年用として購入した場合は、フルリフォームをしなければならない可能性もあります。気候や必要な設備など、別荘地のオンシーズン以外の情報収集を行った上で、別荘を選ぶようにしましょう。
一目惚れで物件を買ってしまう
傾斜地に建っている別荘や昔ながらの古民家など、流通している物件数が少ないからこそ一目惚れで別荘を購入してしまう方は少なくありません。しかし、中古別荘を購入する際には、構造や周辺施設、ハザード情報の調査を行うことが重要です。
例えば、傾斜地の別荘を購入した場合、地滑りを起こしやすい地盤であった場合、大雨などで家ごと倒壊してしまう可能性もあります。また、一見魅力的な古民家であっても、シロアリ被害や構造腐敗など管理状態に問題がある可能性があります。不動産会社に説明されていても、欠陥対策をせずに買ってしまい、新築を建てるのと変わらないような修繕費用がかかってしまうケースも存在します。
中古別荘の欠陥部分は調べないと、素人目にはわからない点が多くあります。不安がある場合には、不動産会社に物件に欠陥はないか、修繕にどの程度のコストがかかるのかを事前に確認しておきましょう。
生活がしにくい
別荘地の魅力は、都市の喧騒から離れ、落ち着いて自分の時間を楽しむことができる空間である点です。しかし、別荘地は都市から離れている分、生活のしやすさでは劣ることもあります。
例えば、フードデリバリーサービスや通販サイトの即日対応が、別荘地ではサービス対応外になっている場合があります。スーパーやドラッグストアまでの距離も遠いことが多いため、都市部に比べて生活しにくいと感じることもあります。また、医療機関までも遠く、災害時にはライフラインが故障しても、修理が遅く孤立してしまう可能性もあります。
せっかくリラックスするために別荘を買ったのに、結局買い物やその移動でほとんどが終わってしまっては元も子もありません。都市部に比べて、生活のしやすさが大きく異なるため、事前に物件の周辺施設については調査を行っておく必要があります。
活用や売却を考えていない
別荘は、ライフスタイルの変化などにより使わなくなる可能性が高めです。しかし、流動性が高くはないため、売却が難しめです。また、使っていない間に貸したくても、条例や規制によってはできないこともあります。
例えば、軽井沢町では民泊営業が禁止されています。さらに、用途地域が住居専用地域の場合には、旅館業許可を取得することができません。
規制などを確認しておかないと、使わなくなった際に、固定資産税などの維持費がかかる負の資産になってしまう可能性もあります。別荘を購入する際には、活用や売却のしやすさも含めて考えておきましょう。
別荘の購入で後悔しない人の特徴

ここからは、別荘を購入して後悔しない人の特徴を解説します。
デメリットやリスクを知っている
別荘のデメリットやリスクを知っている方も同様に、購入後も後悔しにくいです。なぜなら、リスクやデメリットは、知っていればある程度対策を取ることができるからです。
別荘を購入する際には、「魅力的な空間」「リラックスできる上質な時間」などのメリットばかりに注目してしまいがちです。しかし、別荘地ごとにデメリットやリスクが存在します。
例えば、沖縄では台風、軽井沢では雪害、伊豆では塩害といったリスクがそれぞれ存在します。事前にリスクを知っていれば、設備や設計を用意し対策することができます。事前にリスクやデメリットを調べておける人は、別荘購入後にも後悔しにくいといえるでしょう。
自分で工夫するのが好きな人
別荘は、ライフラインの故障や虫害の発生など、生活する中でさまざまなトラブルが起こる可能性があります。業者が即日対応できないエリアに別荘がある場合も少なくなく、トラブルを業者に依頼することができないこともあります。
そういった場合は、別荘では自分で工夫しながらトラブルに対処しなければなりません。また、別荘に通えなくなった際には、第三者に貸し出すなどの工夫が必要です。
別荘は手間がかかる買い物であるため、自分で工夫しながら楽しめる人が別荘選びにはおすすめです。
別荘を購入して後悔しないためのチェックポイント

別荘を購入しても後悔しないためには、押さえておくべきポイントがあります。ここからは、別荘を購入しても後悔しないためのポイントを解説しましょう。
別荘に求めるものの優先項目
別荘を購入する際に、まず確認すべきは別荘に求めるものの優先順位です。優先順位をつける項目の例としては、以下の3つが挙げられます。
- 通いやすさ
- 価格
- 広さ
別荘は物件数が少なく、希望の物件や土地が見つからないケースも少なくありません。
さらに、制約条件が少ない別荘選びにおいては、優先順位が決まっていないと求める別荘像がブレてしまいます。優先順位がブレてしまうと、購入する別荘を決めるのに時間がかかり、購入後に「もっとこんな別荘が欲しかった」と後悔してしまう可能性があります。
ご自身の希望すべてを完璧に満たす物件はないため、まずは別荘に求める項目の優先順位を決めるようにしましょう。
維持・管理費用
別荘を購入する際には、維持・管理費用を試算しておくことが重要です。エリアによって必要な費用は異なるため、調査が必要になります。
例えば、沖縄に別荘を購入したい場合は、次のような維持管理費用が必要になります。
- 虫害対策費用
- ハウスクリーニング費用
- 台風による修繕費用
- 交通費
- 塩害対策 など
これらに加えて、固定資産税や火災保険料などの一般的な必要な費用がかかります。維持費は物件によって異なるため、具体的な例を出すことは難しいですが、不動産会社や既に同エリアで別荘を持っている人などに相談することで、金額感を把握することができます。
ローンや税金の資金計画
別荘の購入には住宅ローンを使うことができないため、ローンを利用したい場合はセカンドハウスローンを組む必要があります。セカンドハウスローンは、住宅ローンに比べて融資条件が厳しく、金利も高いため十分な資金計画が必要になります。
また、節税目的で別荘を購入しようとしても、場合によっては経費として認められない可能性があります。税金については税理士に相談しながら、購入を検討すると良いでしょう。
オフシーズンの情報
定期的に別荘を訪れる場合には、別荘地のオフシーズンの情報を集めることが重要です。
別荘地のような山間部や海側の土地は、季節によって気候が大きく変わります。そのため、シーズンでは使わないような設備や費用が必要になる場合があるからです。
オフシーズンの情報を集めておくことで、設備や対策にかかる費用を準備することができ、オンシーズン以外でも別荘を快適に過ごすことができます。
物件の管理状態
中古の別荘の場合、水道管やガス管、ブレーカーなどの基本的なライフラインが劣化している可能性があります。特に、長年使われていない古民家やログハウスは、その可能性が大きいです。
重要事項説明書などには記載されていても、実際に使用し始めてから、故障してしまったというケースも少なくありません。物件の管理状態を、建築士やホームインスペクションを通じて事前に確認しておきましょう。
移動手段
別荘を選ぶ際には、物件までどうやって移動するのかもきちんと確認しておきましょう。特に、移動時間よりも移動手段についてはリサーチが必要です。移動手段によって、別荘への通いやすさが大きく異なるためです。
例えば、軽井沢・熱海・伊豆・箱根・葉山といった関東近郊の別荘地は、すべて東京から1時間半ほどで到着します。しかし、駅から車が必要である場合と、駅から徒歩・自転車圏内では別荘までのハードルがまったく異なります。
また、同じ電車であっても、席に座りやすい始発駅か否かで移動の楽さは異なります。2拠点生活や週末移住のように定期的に別荘を使いたい場合には、移動手段についても物件選びの際には確認しておきましょう。
条例や規制の有無
別荘は、使わなくなっても簡単に手放しにくい資産です。そのため、万が一使わなくなった際には、貸したりシェアしたりすることができるのか、条例などを確認しておくことが重要です。
スーパーやコンビニ、最寄り駅などの周辺施設についても調べておくことで、万が一貸す場合に借り手がつきやすくなります。
別荘地は、治安や品格を維持するために、独自の条例や規制が設けられている場合があります。売れにくい別荘だからこそ、使わなくなっても簡単に活用することができるかは確認しておきましょう。
まとめ
今回は、別荘を購入して後悔してしまう理由と対策方法について解説しました。後悔してしまう主な理由は次の7つです。
- 知っている別荘地から選んでしまう
- 必要な維持費の試算をしていない
- 移動時間や移動自体が負担になる
- シーズン以外の情報収集をしていない
- 一目惚れで物件を買ってしまう
- 生活がしにくい
- 活用や売却を考えていない
後悔する理由はさまざまですが、それぞれに対して対応策があります。せっかく購入する別荘で後悔しないためにも、事前に対策をしておきましょう。
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