沖縄は、本州とは異なる特徴を持ったエリアです。そんな沖縄で不動産投資を検討していて、特徴や注意点、おすすめ投資先エリアなどを詳しく知りたいと考えている投資家は少なくありません。
近年、沖縄は地価上昇率が全国トップクラスで国内外から人気の高いエリアであり、都心よりも不動産価格が低いことが魅力となっています。しかし、利回りは低めで台風などの自然災害リスクがあるなど、知っておかないと失敗する可能性があります。
ここでは、不動産投資における沖縄の特徴や注意点、エリア別特徴について解説します。沖縄で不動産投資を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産投資における沖縄の特徴

沖縄は、東京や大阪の都心部より公示地価などの不動産価格が低いです。また、主要産業の一つに観光業があるなど、観光需要の高いエリアです。さらに、人口が増加している数少ない県であり、高い賃貸需要が見込めます。
一方で、地価が安いため家賃相場も低い、利回りは低くなる傾向にあります。まずは、不動産投資における沖縄の特徴について解説しましょう。
都心部よりも不動産価格が安い
不動産投資における沖縄の特徴の一つが、都心部より価格が安いことです。
東京都心部で不動産投資する場合、複数人で住むことができる3LDK、80平方メートル以上という広さのある物件は、マンション、戸建てとも安くても3,000〜4,000万円、人気の立地になると4,000〜5,000万円以上はかかります。物件によっては7,000〜8,000万円以上します。東京都心は日本で最も不動産価格が高いエリアなので、不動産投資にはまとまった資金が必要です。
一方で、沖縄は都心と比べて不動産価格が安いため、投資しやすい環境といえます。以下は、不動産情報サイト(参照:ワンノブアカインド)で見ることができる沖縄の不動産投資物件です。
- 奥武島シーサイドビュー(2LDK、47.76㎡、築29年):790万円
- マンションゴールドキャッスル浦添(2LDK、50.72㎡、築32年):1,480万円
- 相互マンション長田第一(2LDK、45.67㎡、築39年):1,500万円
- ライオンズマンション守礼(2LDK、62.12㎡、築35年):1,500万円
- ライオンズ豊見城セントマークス(3LDK、67.77㎡、築7年):2,980万円
- スペリオールハンビー北谷(2K、40.71㎡、築29年):2,600万円
- ワイズエステムコートライカム(3LDK、84.73㎡、築4年):4,380万円
※2021年4月時点
上記のとおり、築年数が古い物件であれば1,000〜1,500万円前後、築浅物件でも3,000〜4,000万円前後で購入できます。沖縄の物件価格は、他の都道府県と比べると特別低いわけではありませんが、東京都心部の不動産と比べると価格は低めです。
観光需要の見込みが高い
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の沖縄の観光客数(平成30年度)は、約1,000万人です。国内客は700万人、外国客は300万人になります。観光収入は7,340億円に上るなど、日本屈指のリゾート地です(参照:沖縄県入域観光客統計概況)。
「人口推計(2019年(令和元年)10月1日現在)」(総務省統計局)によると、2019年の沖縄の人口増減率は東京の0.71%に次ぐ0.39%で、2番目に高い水準です。また、「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」(総務省統計局)によると、持ち家率の全国平均が61.2%なのに対し、沖縄県の持ち家率は44.4%です。5割以上の人が賃貸に住んでいることになります。
このように、沖縄県は観光需要が高く、多くの日本人・外国人が訪れる場所です。人気のリゾート地で注目度が高いこともあり人口は増加傾向になります。それでいて、持ち家率は低いことから、民泊などの観光客狙いも含め、継続的な賃貸需要が期待できます。
利回りは低め
沖縄県は継続的な賃貸需要が期待できますが、家賃相場は他県よりも低めであるため、利回りも低めです。以下は、那覇市の家賃相場になります。
- ワンルーム:4.72万円
- 1LDK:9.75万円
- 2DK:5.71万円
- 2LDK:12.94万円
- 3DK:7.83万円
- 3LDK:13.51万円
※参照:HOME'S(2021年4月時点)
また、都心の家賃相場は、次のとおりです。
- 千代田区:ワンルーム11.46万円〜3LDK51.94万円
- 港区:ワンルーム14.12万円〜3LDK42.31万円
- 中央区:ワンルーム11.47万円〜3LDK30.27万円
- 新宿区:ワンルーム9.13万円〜3LDK31.12万円
※参照:HOME'S(2021年4月時点)
このように、都心の主要エリアに比べると、沖縄県の家賃相場は半額以下です。沖縄は県民所得が全国最下位でもあるため、家賃水準はかなり低めです。物件価格は都心よりは低いものの、全国的に見るとそこまで低いわけではないため、利回りは低い水準です。
地域にもよりますが、収益物件情報サイト上(参照:楽待)では、利回り3〜6%前後の物件が多くなっています。
沖縄での不動産投資のエリア例

沖縄の不動産投資で人気のエリアは、「那覇エリア」「北谷エリア」「離島エリア」「名護エリア」です。いずれも観光客や沖縄在住者に人気のあるエリアであり、高い賃貸需要が期待できます。
ここでは、それぞれのエリアの特徴を紹介しましょう。
那覇エリア
沖縄の不動産投資で人気が高いのが、中心地である那覇エリアです。
那覇市は県庁所在地で、大都市の利便性と住みやすさが共存しています。新都心や首里、国際通り、那覇空港、那覇港などがあり、県唯一の鉄道のゆいレールも走っています。
イオン那覇ショッピングセンターやサンエー那覇メインプレイスなどの大型商業施設があるため、買い物にも困りません。人口は約32万人と県内で最も多く、高い賃貸需要が期待できます。また、小禄周辺には自衛隊関係者が多く住んでいます。
ただし、那覇エリアは人気エリアということもあり、物件価格は高めです。そのため、利回りよりも、継続的に家賃収入を得ることを重視したい場合におすすめです。
北谷エリア
異国情緒溢れる北谷エリアも、沖縄の不動産投資で人気です。
北谷は那覇市から約16kmの位置にあり、米軍関係者や外国人移住者が多いことが特徴です。外国人向けの飲食店や衣料品店などがたくさんあり、まるで海外のリゾートタウンのような雰囲気があります。海が近く1年中マリンスポーツが楽しむことが可能です。
100店舗以上が集まるデポアイランドや観覧車があるカーニバルパーク・ミハマなど、北谷には大型商業施設が複数あり、飲食店の数は200を超えているため、買い物や外食には困りません。
北谷町の2021年公示地価上昇率は、全市町村の中で9番目に高い+4.5%です(参照:土地代データ)。日本人・外国人どちらからも人気がある北谷エリアはおすすめです。
離島エリア
宮古島や久米島、石垣島、瀬底島、伊良部島など、離島エリアでの不動産投資も人気があります。
透明度の高い海や真っ白な砂浜など、離島には豊かな自然があります。高級ホテルなども離島に進出しており、中国や香港、台湾、韓国などからも毎年多くの観光客が訪れています。
離島エリアには高級ヴィラなどもあり、富裕層が別荘や投資物件を所有しているケースも多いです。離島バブルが起きており、近年家賃などの物価も高騰しています。物件によっては高利回りが期待できます。
名護エリア
人口約6万人で、沖縄本島最北部の玄関口ともいわれる名護エリアも不動産投資におすすめです。
那覇空港から車で1時間10分ほどにてアクセス可能で、東海岸と西海岸に囲まれ海が広がります。名護岳や多野岳、嘉津宇岳などもあり、自然豊かなエリアです。2020年に市制50周年を迎えています。オリオンビールや勝山シークヮーサーなど、沖縄を代表する特産品を産出している地域でもあります。
21世紀の森ビーチや幸喜ビーチ、ブセナビーチ、かりゆしビーチ、カヌチャビーチなど、家族で楽しむことができ、リッチなビーチリゾートも揃います。ナゴパイナップルパークやOKINAWAフルーツらんどなどもあり、観光客にも人気です。
海が綺麗なリゾートエリアなので、高い賃貸需要も期待できます。
沖縄での不動産投資のポイント

沖縄での不動産投資は、利回りだけで判断せず、自然災害リスクなどのデメリットの要素も考慮することが大切です。例えば、沖縄は都心に比べて台風の数が多く、勢力も強めだからです。
そのため、利回りだけで物件選びをしてしまうと、継続的に収益を出すことが難しくなる可能性があり失敗しかねません。ここでは、沖縄で不動産投資をするうえで押さえておきたいポイントを解説しましょう。
利回りだけで検討しない
沖縄で不動産投資をする場合は、利回りだけで検討しないようにしましょう。
沖縄に限った話ではありませんが、利回りが良い物件でも、入居率が低ければ継続して収益を得ることはできません。情報サイトなどに掲載されている利回りはほとんどが「想定利回り」であり、シミュレーションよりも入居率が低くなる可能性があります。高い賃貸需要が期待できる沖縄でも、入居率が想定を下回れば赤字運営になりかねません。
また、築年数が古い場合は、多額の修繕・リフォーム費用がかかることがあります。利回りが高い物件を選んでも、経費が増えれば得られる利益は少なくなり、実質利回りも低下します。
そのため、利回りだけで判断するのではなく、地域の将来性や競合物件、エリアの賃貸需要、リフォームの有無、家賃相場、治安など、さまざまな要素をもとに投資先を決めることが重要です。
地価の上昇率が全国トップクラス
2021年1月1日時点における、都道府県別の地価上昇率は次のとおりです(参照:土地代データ)。
- 福岡県:+1.86%(18万304円/㎡)
- 北海道:+1.23%(6万9,970円/㎡)
- 沖縄県:+1.19%(13万7,272円/㎡)
- 宮城県:+1.09%(14万2,295円/㎡)
- 熊本県:+0.34%(9万5,690円/㎡)
沖縄県の全用途(住宅地・商業地・工業地」の地価上昇率は、8年連続で上昇しています。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で全用途の平均変動率は2019年より9.7%下落(2019年は+10.9%)しましたが、それでも福岡県、北海道に次いで全国3番目の上昇率です。2019年までは地価上昇率が4年連続で全国1位でした。
用途別では、住宅地が+1.0%で8年連続の上昇し、北谷町の上昇率が最も高く+5.1%、17市町村が前年から上昇しています。商業地は+0.2%で北谷町の上昇率が最も高く+3.6%、9市町村が前年から上昇しました。工業地は+17.0%で9年連続の上昇です。
このように、沖縄県の地価上昇率は全国トップクラスであり人気の高さが伺えます。資産価値向上の期待もできるエリアです。
自然災害のリスクを考える
沖縄県で不動産投資をする場合は、台風などの自然災害リスクを考える必要があります。毎年多くの台風が沖縄に接近し、影響を受けるからです。
気象庁によると、沖縄県および奄美大島に接近した(300km圏内)台風の数は次のようになります。
- 2020年:7
- 2019年:15
- 2018年:16
- 2017年:8
- 2016年:11
上記のとおり、2016年〜2020年の5年間で57もの台風が接近しています。勢力が強いまま上陸することも多く、都心の台風とは別物です。台風などの自然災害が多いと、建物もダメージを受けてしまい修繕費が高くつきます。
また、台風だけでなく、地震などのリスクも考えなくてはなりません。築年数が古く老朽化が進んだ物件は、なるべく避けた方が良いでしょう。
沖縄で不動産投資するにはどうすれば良い?

沖縄で不動産投資をする際は、まず沖縄の不動産に精通した専門サイトを利用して物件情報を収集しましょう。物件情報が豊富であり、疑問点などがあれば問い合わせができるからです。
専門サイトを活用すれば、都心にいながら沖縄の最新不動産投資情報を得ることが可能です。沖縄専門の不動産サイトであれば、戸建てやマンション、また別荘のような沖縄特有の物件まで掲載されているため、沖縄というエリアならではの物件情報を知ることができます。
興味のある物件や投資エリアがあれば、実際に沖縄へ行き、自分の目でしっかりと確かめることも必要です。
まとめ
沖縄は、不動産投資するうえで魅力的なエリアです。国内外からの注目度が高く、人口は増加傾向、地価上昇率は全国トップクラスで、都心部より不動産価格は低めだからです。
家賃が低いため利回りも低い傾向にはありますが、持ち家率が低いため、高い賃貸需要が期待できます。沖縄での不動産投資を考えている方は、今回紹介した内容を参考にしてみてください。
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