憧れの別荘をようやく購入できたと思ったら、「維持費や税金でお金がどんどん出ていく!」という失敗はつきものです。別荘を購入する前に、年間の維持費や税金はどれくらいかかるのかを考えていなかったためでしょう。
別荘を購入する前に、年間のコストは自分が支払える範囲内なのかしっかり確認しましょう。この記事では、別荘を所有している間にかかる年間の維持費と税金について解説していきます。
この記事を読んで欲しい人:
- 別荘の購入を検討している人
- 別荘の維持費は年間どれくらいかかるのか知りたい人
- 維持費を抑える方法を知りたい人
この記事を読んでわかること:
- 別荘の維持費は年間でどれくらいかかるのか
- 維持費に加えて税金もかかる
- 維持費を抑えるためのポイント
別荘の維持費は年間いくらくらい?

別荘を維持するためには、修繕費や火災保険の保険料などの支払いが発生します。仮に1年間で1日も別荘を使用しなかったとしても、維持費はかかってしまいます。
この章では、別荘を維持するためにはどのようなコストがかかるのかについて解説していきます。別荘を所有した後、「こんなに維持費がかかるなら買わなかったのに……」と失敗しないよう、維持費を理解してから購入しましょう。
なお、この章で解説する年間の維持費の金額はすべて目安です。どの地域にどれくらいの広さの別荘を所有するのかなどによって異なりますし、金額には幅があることをご了承ください。
修繕費
新築で別荘を建てた場合も、時間とともに老朽化するため、いつかは設備や外装を修繕する必要があります。必要になったときに慌てて拠出するのではなく、日常的に修繕費を積み立てておき、いざというときに高額な修繕が必要になっても大丈夫なように備えておきましょう。
修繕積立金の金額は建物の構造や築年数、大きさなどによって大きく異なりますが、一般的には数万円程度が目安です。不動産を購入する際に修繕計画や修繕積立金についても不動産会社に相談できるので、購入前に確認しておくと良いでしょう。
ローンの金利
ローンを組んで別荘を購入する場合、ローンの返済に加え、金利の支払いも必要です。別荘を購入する場合、一般的な住宅ローンではなく、セカンドハウス用のローンを借り入れることが多いです。
金利は金融機関によって異なりますが、セカンドハウスローンの金利の場合、目安は2%~4%程度です(2021年6月時点)。住宅ローンと同程度か、それよりも高い傾向にあります。
例えば、1,000万円の30年ローンを金利2%で組んだ場合、元利均等返済方式なら元金と利息を含めた合計返済額は約1,300万円です。利息は300万円なので、年間10万円のコストがかかります。
金利の支払いを節約するなら借入額を小さくしたり返済期間を短くしたり、金利の低い金融機関を探したりしましょう。
保険料
別荘を購入したら、火災保険や地震保険にも加入します。火災保険・地震保険の保険料は、建物の構造(木造か鉄筋コンクリートかなど)や築年数、面積などによって決まります。
日常的に使用する住宅と異なり、別荘の保険料は高額になるケースがあります。使用頻度が低く人が住んでいない住宅は、火災リスクやいたずらで窓を割られるといったリスクが高く、一般的な住宅向けの火災保険に加入できない場合があるからです。保険料は割高になりますが、別荘向けの火災保険に加入しましょう。
また、地方だと地価が低いため、面積の大きい住宅を購入する方もいます。面積が大きいと保険料も高くなるので、意外と保険料の出費が痛いというケースがあります。
以上の理由から、年間の保険料だけで数万円程度になってしまう場合があります。10年分をまとめて支払うと合計の保険料が安く済むことがあるので、支払い方法を工夫してコストの負担を下げましょう。
なお、ローンの借り入れに際して団体信用生命保険にも加入します。生命保険の保険料も支払う必要がありますが、一般的にはローンの金利に含まれています。
水道光熱費
電気・ガス・水道は、基本料金と使用料に応じた金額を負担します。別荘をまったく利用しなかった場合でも、基本料金は発生することを覚えておきましょう。以下に基本料金の例を掲載しますが、すべて別荘が沖縄にあると仮定した場合で、2021年6月時点の情報です。
電気代は地域やプランによって異なりますが、沖縄電力の場合、電気を使用しなかった場合でも月々約400円かかります。これに使用に応じた料金が上乗せされます。
ガス代も別荘のある地域によって異なりますが、沖縄ガスの場合、基本料は月々約1,700円です。これに加え、使用に応じた料金がかかります。
水道の基本料金も地域によって異なりますが、沖縄は水道と下水道を合わせて最低でも月々約1,300円かかります。基本料金に加え、使用した分だけ従量料金がかかります。
以上のとおり、別荘をまったく使用しなかった場合でも、1ヶ月あたり約3,500円の出費がかかります。年間にすると4万円を超える金額になります。別荘を使用すれば、さらに電気・ガス・水道の使用料が上乗せされます。
交通費
別荘は遠隔地にあることが多いため、往復の交通費がどれくらいかかるかも考えておくことも大切です。自家用車、新幹線、飛行機のどれを利用するかによっても大きく異なるので、料金やガソリン代を考え、1年間にどれくらい別荘に通えそうか確認してから購入しましょう。
東京在住の方が沖縄に別荘を購入した場合、羽田空港から飛行機で沖縄に向かうのが一般的でしょう。LCC(格安航空会社)を利用しても往復で1万円以上かかります。JALやANAを利用した場合、最低でも往復で2万円はかかると考えておいた方が良いです(2021年6月時点)。
年間に何回くらい別荘に通いたいのかをイメージし、必要な交通費を計算しましょう。
通信費
別荘でも、固定電話やネット環境を整える必要がある場合があります。
携帯電話だけで電話もメールも問題ない場合は、必須ではありません。しかし、別荘でも不自由なく仕事をしたい場合や、携帯電話がつながりにくいエリアでは、電話やネット環境の整備は必須といえるでしょう。
住宅の場合、固定電話の基本料金は月々2,000円前後です(2021年6月時点)。これに通話した量に応じて使用料がかかります。
ネットの回線を引く場合、プランによって料金は異なります。光回線だと月々5,000円前後です(2021年6月時点)。別荘の使用頻度が低い方は、別荘を使う期間だけポケットWi-Fiを借りて通信費を安く抑えることも可能です。ポケットWi-Fiの場合、使用する日数によって料金は異なりますが、基本料金は2,000円~3,000円と光回線よりも安くなる場合があります。
管理費
別荘を使わない期間、宿泊施設として貸し出す場合は、別荘の管理を管理会社に任せれば管理費がかかります。管理費の体系は管理会社によって異なりますが、宿泊料の〇〇%と決められていることが多いです。
管理費が安い会社の方が維持費を節約できますが、サービスの質も低い場合があります。支払う管理費に見合ったサービスを提供してくれる管理会社を選ぶことのがおすすめです。別荘を所有している間も管理会社は変更できるので、合わないと感じたら変更を検討しましょう。
別荘の維持にかかる税金

別荘を所有すると、固定資産税や都市計画税、住民税も毎年支払うことになります。先ほど解説した以外に、これらの税金がかかることを理解しておきましょう。
3種類の税金について、詳しく解説していきます。
固定資産税
固定資産税は市区町村に支払う税金で、以下の式で計算できます。標準税率は1.4%で、税率は自治体によって異なります。
- 固定資産税=固定資産税評価額×1.4%(標準税率)
固定資産税評価額とは、土地・建物ごとに決定される評価額です。地域や不動産の面積によって異なるので、固定資産税がいくらかかるのかあらかじめ知りたい方は、別荘の購入時に不動産会社に確認しましょう。
例えば、固定資産税評価額が3,000万円で税率が1.4%の場合、1年間に支払う固定資産税は42万円となります。
住宅やセカンドハウスは固定資産税の軽減措置が適用されるケースがありますが、別荘は適用外となる場合がほとんどです。必需品ではなく贅沢品と見なされるので、日常的に使用する住宅よりも税額が高くなります。
都市計画税
自治体によっては、固定資産税に加えて都市計画税を負担する場合があります。税率は自治体によって異なりますが、最高0.3%の制限税率で、以下の式で計算できます。
- 都市計画税=固定資産税評価額×0.3%(制限税率)
固定資産税評価額が3,000万円で税率0.3%の都市計画税が課税される場合、1年間に支払う都市計画税は9万円となります。固定資産税と同様、住宅とセカンドハウスは軽減措置がありますが、別荘は基本的には適用外となります。
住民税
別荘を所有すると、住民税もかかります。住民票は居住地に置いたままなので、別荘には住民税はかからないと思われがちですが、支払いの義務があるので注意しましょう。
住民票を別荘に移さない場合、住民税のうち均等割のみがかかります。住民税は所得割と均等割に分かれており、所得に応じて税額が変わる部分が所得割、所得に関係なく一定額を治めるのが均等割です。
均等割は、令和5年度までは市町村税・特別区民税が3,500円、道府県税・都民税が1,500円となります。1年間で合計5,000円の住民税を支払う必要があるので、覚えておきましょう。
維持費を抑えるポイント

以上のように、別荘を所有するためには維持費や税金がかかります。忙しくて別荘をまったく利用できなかった年でも、修繕費や保険料、水道光熱費の基本料金、税金は支払わなければならず、もったいないと感じる方も多いでしょう。
維持費の負担を軽くするためには、どうしたら良いのでしょうか?別荘の購入後に「維持費が高すぎる!」と失敗しないよう、対策を考えていきましょう。
購入前にシミュレーションする
まず、購入前に維持費を見積もっておきましょう。別荘の購入時に、物件の価格だけでなく、不動産取得税など購入時にかかる税金や、別荘を保有している間にかかる維持費や税金も把握しておくのです。
維持費や税金がどれくらいかかるのか把握できれば、それだけのコストを支払ってでも別荘が欲しいか、そのコストを今後ずっと支払えるか、よく考えることができます。思ったよりコストが膨らみそうな場合は、コストを抑えられる他の別荘を探すという選択もできます。
維持費や税金の計算は専門的であり、かつ地域や面積などによって異なるので、素人がネットで調べた知識だけで正しくシミュレーションするのは難しいです。不動産会社の担当者に相談して教えてもらいましょう。
設備の点検を定期的に行う
定期的に別荘を点検して修繕し、出費を小さく抑えましょう。例えば、窓ガラスが割れた場合、すぐに修繕すれば窓ガラス代だけで済みます。しかし、放置していると雨風が吹き込み、内装や家具も汚れてしまいます。フルリフォームが必要になって出費が痛いといったケースも考えられます。
そのため、こまめに別荘を使用し、具合が悪いところは酷くなる前に修繕するようにしましょう。頻繁には別荘に行けないという方は、管理会社にメンテナンスを依頼することが考えられます。
貸別荘にして収益化する
維持費や税金が高額になるなら、貸別荘にして収益化する手段も考えられます。宿泊料の売り上げで維持費や税金の一部または全部を支払えるため、コストの負担が軽くなります。
貸別荘とは、オーナーが使わない間は宿泊客に貸し出す別荘のことです。宿泊料が得られるので、オーナーが使わない期間を有効活用できます。
宿泊客の予約対応やトラブル対応、清掃など面倒な仕事はありますが、これらは管理会社に任せることができます。別荘には頻繁に通えないオーナーでも、貸別荘の経営は可能です。
貸別荘の経営を成功させるには、ニーズを踏まえた別荘選びや観光客へのアピールが重要です。そうしたノウハウを知りたい方は、「別荘買おうぜ.com」にお気軽にお問い合わせください。
まとめ
別荘を保有するには、修繕費や保険料などの維持費と税金を負担しなければなりません。まったく別荘を利用できなかった年でもコストを支払う必要があるので、もったいなく感じる方も多いでしょう。
貸別荘にして宿泊料を得られれば、売り上げで維持費や税金の支払いができるようになります。貸別荘のノウハウを知りたい方は、「別荘買おうぜ.com」にお問い合わせください。